遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法とは?
・遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法(以下、遠城寺式)は、0歳からの発達全般を評価することができる検査です。
・一般的にはスクリーニング検査として使用されることが多いです。
・遠城寺式は、比較的古くから日本で継続して使用されているアセスメントの1つです。
・1960年~遠城寺宗徳医師によって開発されたことがこの評価の始まりです。
・開発にあたって、福岡市や北九州市の乳児検診受診者のデータから、年齢特異性の高い発達課題を選び、その課題の検査のしやすさや、日常生活場面において観察されやすい課題を考慮してつくられたようです。
・遠城寺式の開発の際、検査項目の試案として取り上げられた数は、移動運動64、手の運動51、基本的欲求48、対人関係53、発語46、理解31と、計293項目にものぼりました。
・近年の子どもたちの生活環境の変化や検査法の進歩などを踏まえ、2009年に本質をゆがめないようにして全面的な改訂を行いました。
・これが現在の「九州大学小児科改訂新装版」として慶應技術大学出版会から出版されたものになります。
検査の特徴
特徴①:遠城寺式は乳幼児の発達を以下の3つの領域(6種類)からとらえることができます。
①運動(移動運動、手の運動) |
②社会性(基本的習慣、対人関係) |
③言語(発語、言語理解) |
特徴②:3つの領域ごとに発達を評価することで、脳性麻痺や知的障害、発達障害などの鑑別の一助になるとされています。
特徴③:検査法自体が簡便で、短時間で検査できます。
特徴④:検査結果を何度も記入できる検査書式になっているため、子どもの発達状況を経時的にみていくことが可能です。
対象年齢と所要時間
・「0ヵ月から4才8ヶ月」の間の発達について測定できる
*検査項目的には、最後の項目は「4歳7ヶ月」をみている。
・15分~20分程度
評価の発達段階
・1歳までは12段階(1ヶ月ごと)、1歳から1歳半までは3段階(2ヶ月ごと)、1歳半から3歳までは6段階(3ヶ月ごと)、3歳から4代8ヵ月までは5段階(4ヶ月ごと)の計26段階に分けられています。
・各検査項目は上に進むにつれて、対応した年齢も進みます。
準備物
・検査実施に伴い、検査者側が事前に準備しておく必要がある物品を下記に記載します。
ボール(蹴ることができ、弾むもの)、ガラガラ、ハンカチ(男性用の白い物)、おもちゃのた太鼓、広口のビン、おもちゃの自動車、クレヨン(赤、青、黄、緑)、鉛筆などの筆記用具、白い紙(飛行機を折る用、はさみで切る用)、色紙(赤、青、黄、緑)、コップ、積み木、はさみ、鏡、絵カード(必要な物)、ボタンはめ用の布とボタン、〇が書かれたカード、棒(15㎝、10cm)、碁石など |
*詳細は成書をご参照ください。
*絵カードや色紙などは、成書購入時に付属します。
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