使用方法
①検査を行う前に、対象児の性別、生年月日、検査年月日、診断名などを記入します。
②対象児の暦年齢を調べ、グラフの線上に点を打ちます。
*暦年齢:CA、生活年齢のこと。
➡例えば、4歳1ヵ月の子どもの場合、暦年齢の点は以下のように打ちます。
➡これは4歳2か月でも、4歳3か月でも同様の位置になります。
③対象児の暦年齢の付近の検査項目から始めます。
*ただし、発達の遅れがみられる場合は…病歴等からみて適切と思われる段階の項目から始めるほうが良いです。
④検査項目ができていれば「〇」を書き、同じ段の上の問題へと進みます。
不合格であれば「×」を書き、同じように次の項目へ進みます。
⑤○が3つ以上続いたのち、×が3つ連続してみられた場合、〇がついた一番上の検査項目に相当するところに点を打ちます。
⑥〇や×が連続して3つ続いた場合、それ以上その段の問題を進める必要はありません。
⑥発達グラフに点を打ち、その点同士を結ぶことで折れ線グラフを描くことができます。
⑦このグラフ(発達プロフィール)をみることで、対象児の発達のバランスを把握することができます。
注意点
・通常3~ 4段階、暦年齢より下まわった発達段階を示す場合は、その項目の領域について、発達に遅れがある可能性が考えられます。
・<言語理解>では、空白の項目があるため、点を打つ際に注意が必要です。
・発達指数を算出できるますが、平均が110~120と高めにでやすいです。
・・・それでは実際に発達指数(DQ)を算出してみよう!
発達指数(DQ)を求めるには・・・?
A:発達指数(DQ)の求め方は・・・
DQ=発達年齢(今回は社会性の基本的習慣の到達年齢)÷暦年齢×100=?
今回の発達年齢は「3歳6か月」、暦年齢は「4歳1か月」
これを計算しやすいように「~~か月」に直すと、発達年齢「42か月」、暦年齢「49か月」となり、
DQ=(42÷49)×100=85.7… DQ:約85
その他の注意点
・検査結果は折れ線グラフで表すことができるため、発達のバランスや苦手さなどを視覚的に説明しやすい構造になっています。
・遠城寺式は発達スクリーニング検査として、乳児健康診査(1歳6か月や3歳児検診など)でも使われることもあります。
*検査項目の詳細、使用方法などは下記の成書および参考文献をご参照ください。
<文献>
・遠城寺宗徳・他:遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法―九州大学小児科改訂新装版,慶應技術大学出版会,2009
・新田收、竹井仁、三浦香織・編:小児・発達期の包括的アプローチ PT・OTのための実践的リハビリテーション,文光堂,2013
・陣内一保、安藤徳彦・監修:こどものリハビリテーション医学第2版,医学書院,2008
・岩田純一、落合正行、浜田寿美男、松沢哲郎、矢野喜夫他:発達心理学辞典,ミネルヴァ書房,1995
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