【解説】第41回 作業療法士 専門問題 午前1-5【実地問題】

第41回 OT AM1

問題1.ダニエルスらの徒手筋力テスト(筋力5及び4)における検査者の手の位置で誤っているのはどれか。ただし、図の矢印は検査者が加える力の方向を示す。


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答え:4(誤っている物)

4:×

 
指内転を測るときは、検査者は「中手骨」をつかんで力を加える必要があります。
選択肢4では、末端部に力を加えているため×」、誤っている選択肢は「」となります。
この問題の重要ポイント
 
指の「内転」のMMTは中手骨に力を加えますが、指の「外転」のMMTは指の遠位部(末端部)に力を加えます。内転と外転で「検査者が力を加えるポイント」が違うため、間違えやすいです。
*指の外転と内転のMMTはSETで覚えましょう。

*選択肢4の図(正答)

第41回 OT AM2

問題2関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ

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答え:1 と 3

図表をよくみてみると、①基本軸、②移動軸、③検査肢位が合っているのは、1と3(〇)ですね。

第41回 OT AM3

問題3洗濯物を物干しに干すために、図のように上肢を完全挙上した。このとき、肩甲骨が上方回旋する角度で正しいのはどれか。

1.30度

2.40度

3.45度

4.60度

5.90度

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答え:4

 

・肩甲上腕リズムとは?
 
(肩関節の外転または屈曲時)肩甲上腕関節2度動いた場合、肩甲骨1度上方回旋動くこと

➡つまり、問題の図のように肩関節屈曲180度まで動いている場合、肩甲上腕リズムの2:1=「肩甲上腕関節:肩甲骨(上方回旋)」を踏まえて答えましょう。

 
120度(肩甲上腕関節):60度(肩甲骨の上方回旋)=2:1となり、答えは4の「60度」(選択肢4)となります。

第41回 OT AM4

問題4.摂食・嚥下機能にかかわる構造で誤っているのはどれか。

1.軟口蓋

2.梨状窩

3.舌骨

4.咽頭蓋

5.声門

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答え:2(誤っているもの)

1.軟口蓋:〇

➡口の天井の骨のない軟らかい部分で、口咽頭と鼻咽頭を遮断する役割(嚥下時に食塊が鼻腔に逆流しないように、口咽頭と鼻咽頭を分離する)を担っています。(嚥下や発音、呼吸などに関与)

2.梨状窩…×

 
この部位は梨状窩ではなく「喉頭蓋谷」であるため、「2」が誤っています

3.舌骨:〇

➡下顎と咽頭部の間に位置するU字形の骨で、舌を支え、開口運動に関与しています。

4.喉頭蓋:〇

➡喉頭の一番上にある小さなフタ状の硬い組織で、呼吸と嚥下の際に喉頭と気管の入り口を塞ぎます。

➡つまり、①呼吸の際には開き、空気を気管に送り込む、②嚥下の際には閉じ、食物を食道に送り込む といった役割を担っています。この両脇部分に「梨状窩(梨状陥凹)」があります。

5.声門:〇

➡喉頭にある左右の声帯の間の空間のことを指し、声帯が振動して声が出る際に重要な役割を担っています。

 

重要ポイント

・梨状窩(りじょうか)梨状陥凹とも。咽頭から食道への移行部にある喉頭蓋この喉頭蓋の下端付近の両側にある溝のことを「梨状窩」といいます。喉頭蓋が「喉頭と気管のフタ」だとすれば、梨状窩は一時的に垂れ込んできたものが溜まるくぼみです。

 
 梨状窩は咽頭残留しやすい部位でもあります。梨状窩で残留し続けると、誤嚥へとつながります。

・喉頭蓋谷(こうとうがいこく)舌根と喉頭蓋の間にあるくぼみのこと。 「喉頭蓋」が構造的に立ち上がった形をしているため、舌根と喉頭蓋との間にくぼみができます。

 
食べたものは「喉頭蓋谷」から喉頭蓋の下端両側にある「梨状窩」を経て、食道へと流れ込みます。

 

書き込み練習問題

 

 

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*赤シートで隠せます。

第41回 OT AM5

問題5.前腕遠位の切断面で誤っているのはどれか。

ア.橈骨動脈 
イ.屈筋支帯 
ウ.正中神経 
エ.深指屈筋 
オ.尺側手根伸筋

1.ア、イ

2.ア、オ

3.イ、ウ

4.ウ、エ

5.エ、オ

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答え:3(誤っているもの)

 
図は「イ:方形回内筋」、「ウ:長掌筋」が正解であるため、答えは「」となります。

 

この問題のポイント
・今回の問題では、特に屈筋や伸筋の位置関係、正中神経と尺骨神経の位置なども大切です。

・切断面としては、この前腕遠位部のほかに、手根骨部の切断面の問題も良く出ますよね。

・まずは今回の問題である前腕遠位部を理解しておくと、手根骨部との違いも覚えやすくなります。

書き込み練習問題

 

 

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参考:平田幸男・訳:解剖学アトラスⅠ 運動器 第6版

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